3日前の話。数年振りにそのパン屋に行くと、そこにはやっぱり君がいた。
パン屋店員「いらっしゃ……来たんだ。」
僕「うん……久し振り。」
パン屋店員「…メロンパン、焼きたてだよ。」
僕「…いや、カレーパンを、ひとつ。」
パン屋店員「そっか……違うんだね、昔とは……」
僕「うん……」
……………………………………………………………………
初めて出会ったのはいつのことだっただろうか。
君の甘い魅力に、僕はすぐ夢中になってしまった。
毎日のように一緒に過ごした中学時代。君は学校中の人気者だった。
そんな君に会える昼休みが楽しみすぎて、四限の授業なんてなくなってしまえと何度思ったことか。
……支えだった。
僕にとって、なくてはならない存在だった。
けど。
いつの間にか君は、変わってしまった。
高3の冬。
受験勉強で家に籠もりっきりだった僕は、しばらく君に会っていなかった。
久しぶりに家を出て、白い息を吐きながら塾の講習に向かう途中に僕が見たのは、変わり果てた君の姿だった。
どこで覚えてきたのか、小麦色だったはずの肌には緑色の薄化粧。
前よりも綺麗だった。それは間違いなかった。
けど、僕の知ってる君とは違った。僕の愛した君ではなかった。
ちょっと前までの面影は、完全に消えていた。
そしてあろうことか、君の横にはでかでかと、「ペーストが入りました!!」の文字が。
僕の愛したメロンパンは、「メロンの味がするパン」へと変貌を遂げていたのだった。
ちょっとくらい不格好でも、砂糖が表面にゴテゴテまぶされている君が好きだった。
オシャレのつもりなのか、時折チョコチップに身を包む君も素敵だった。
ボリュームばっかりで内側のパンの味が単調といわれていても、そのボリュームが僕の味方だった。
北海道産メロンペーストなんていらない。表面のツヤだって必要ない。そんなスタイリッシュに構えてる君なんて君じゃない!
フルーツメロンの真似事なんて、しなくてよかったのに。
僕は、逃げるように店を飛び出した……。
愛するものを失う悲しみ。
愛しいものが消えてしまう苦しみ。
それを僕に教えてくれたのは、メロンパンだった。
そう、愛ゆえに人は苦しまねばならない。愛ゆえに人は悲しまねばならない。
「こんなに悲しいのなら、こんなに苦しいのなら……愛なんていらない!!!」
それからというもの、僕の心から一切の愛は消え去った。
毎日をただ淡々と生きるマシーンと化した。
いや、そもそも、あの当時の僕のメロンパンに対する愛でさえ、果たして本当の愛といえたのだろうか?
今となっては、それを確かめるすべもない。
このブログを読んでいるあなたも、疑問に思っているはずだ。
……本当の愛って、一体何?
その答えを握っているのは、ある一組の少年少女。
「愛」が与える悲しみに、二人はどう立ち向かうのか。
2014年12月27日、FreeD自主公演「華と旅人」、公 開 。
一緒に答えを、見つけに行こう。
みんな、絶対観に来てくれよな!!
以上、15期のさぎでした!
次のブログは、菓子パンなんていう貧民の食べ物には縁がないんじゃないかと思ってしまうくらいリッチな風格を漂わせているみほ!お願いします!
……………………………………………………………………
僕「あ、それと。」
店員「え…?」
僕「メロンパンをひとつ。」
店員「!……どうして……?」
僕「もう一回、向き合ってみようと思うんだ。今度はしっかりと、ね。」
パン屋店員「いらっしゃ……来たんだ。」
僕「うん……久し振り。」
パン屋店員「…メロンパン、焼きたてだよ。」
僕「…いや、カレーパンを、ひとつ。」
パン屋店員「そっか……違うんだね、昔とは……」
僕「うん……」
……………………………………………………………………
初めて出会ったのはいつのことだっただろうか。
君の甘い魅力に、僕はすぐ夢中になってしまった。
毎日のように一緒に過ごした中学時代。君は学校中の人気者だった。
そんな君に会える昼休みが楽しみすぎて、四限の授業なんてなくなってしまえと何度思ったことか。
……支えだった。
僕にとって、なくてはならない存在だった。
けど。
いつの間にか君は、変わってしまった。
高3の冬。
受験勉強で家に籠もりっきりだった僕は、しばらく君に会っていなかった。
久しぶりに家を出て、白い息を吐きながら塾の講習に向かう途中に僕が見たのは、変わり果てた君の姿だった。
どこで覚えてきたのか、小麦色だったはずの肌には緑色の薄化粧。
前よりも綺麗だった。それは間違いなかった。
けど、僕の知ってる君とは違った。僕の愛した君ではなかった。
ちょっと前までの面影は、完全に消えていた。
そしてあろうことか、君の横にはでかでかと、「ペーストが入りました!!」の文字が。
僕の愛したメロンパンは、「メロンの味がするパン」へと変貌を遂げていたのだった。
ちょっとくらい不格好でも、砂糖が表面にゴテゴテまぶされている君が好きだった。
オシャレのつもりなのか、時折チョコチップに身を包む君も素敵だった。
ボリュームばっかりで内側のパンの味が単調といわれていても、そのボリュームが僕の味方だった。
北海道産メロンペーストなんていらない。表面のツヤだって必要ない。そんなスタイリッシュに構えてる君なんて君じゃない!
フルーツメロンの真似事なんて、しなくてよかったのに。
僕は、逃げるように店を飛び出した……。
愛するものを失う悲しみ。
愛しいものが消えてしまう苦しみ。
それを僕に教えてくれたのは、メロンパンだった。
そう、愛ゆえに人は苦しまねばならない。愛ゆえに人は悲しまねばならない。
「こんなに悲しいのなら、こんなに苦しいのなら……愛なんていらない!!!」
それからというもの、僕の心から一切の愛は消え去った。
毎日をただ淡々と生きるマシーンと化した。
いや、そもそも、あの当時の僕のメロンパンに対する愛でさえ、果たして本当の愛といえたのだろうか?
今となっては、それを確かめるすべもない。
このブログを読んでいるあなたも、疑問に思っているはずだ。
……本当の愛って、一体何?
その答えを握っているのは、ある一組の少年少女。
「愛」が与える悲しみに、二人はどう立ち向かうのか。
2014年12月27日、FreeD自主公演「華と旅人」、公 開 。
一緒に答えを、見つけに行こう。
みんな、絶対観に来てくれよな!!
以上、15期のさぎでした!
次のブログは、菓子パンなんていう貧民の食べ物には縁がないんじゃないかと思ってしまうくらいリッチな風格を漂わせているみほ!お願いします!
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僕「あ、それと。」
店員「え…?」
僕「メロンパンをひとつ。」
店員「!……どうして……?」
僕「もう一回、向き合ってみようと思うんだ。今度はしっかりと、ね。」